ソワニエでの授業が始まったので、
また学生さんに紹介する「読書日記」のための本読みを始めた。
妻を看取る外科医の日記。
がんは辛い。腫瘍と闘いながら、
抗がん剤の副作用にも耐えなければならない。
ALSも残酷な病気だけど、進行は相対的にはゆっくりなので、
こうした「病気との熾烈な闘い」という
側面はないなあと思いながら読んでいる。
そして小野寺夫妻の豊かな人間性と前向きな姿勢に励まされる。
ソワニエで12年間、毎授業で1冊、
看護や医療などに関する本を紹介してきた。
総計で150冊ぐらいになる。
学生さんたちに、本を読むおもしろさを直接、
身をもって示すことが大事だと思ったから。
闘病記も介護の本もたくさん読んだ。
相方がALSと診断されたとき、
ALSという病気への知識があった。それも、この読者日記で
ALSの闘病記を読んでいたから(もう10年ぐらい前)。
知識があるというのは、体験していないことでも、
ある程度の見通しがつくという側面がある。
病気や介護に向き合うこと、伴走の仕方を、
たくさんの本から学んできた。
病や死を考えることは、「どう生きるのか」
「有限の時間をどう使うのか」を射程深くとらえることでもあった。
今年の読書日記は、また新たな境地での学びになるはず。
力にしたいし、学生さんに良書をたくさん紹介したい。