長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

もっと怒ろう! 日本の年金制度ここがおかしい!

きのう(2日)の午前中は、
生協労組おかやまのアルバイト部会準備会総会にて講師仕事。
アルバイト準備会は、オンライン連続講座「労働組合たんけん隊2022」にも
集団視聴で取り組んだり、学習熱心ですばらしいです。

今日は「もっと怒ろう! 日本の年金制度ここがおかしい!」
をテーマに1時間ほど。

老齢年金制度が作られた歴史的背景として、
西欧での貧困調査があったこと(19世紀末)。
多くの高齢就業者が貧困に陥っていたことが明らかに。
労働者は老齢になっても、
生きるために働かざるをえず、低劣な賃金で働いていた。
それが労働者全体の労働条件のおもしになっていた。
そこで高齢者を労働市場から隔離・保護し、
働かなくても食べていくことのできる
社会的扶養=老齢年金が制度化されていった。

たとえばフランスでは、国家によってすべての高齢者に
生活保護基準を上回る最低限の所得が保障されている。
基礎年金は3か月の拠出金で受給権が生じる(日本は10年間)。
フランスで65歳以上の労働力率は3.1%(2018年)。
つまりほとんど働いていない。老年期は「黄金の時期」とさえ言われている。
年金で暮らせるから。
日本の65歳以上の労働力率は、同じ2018年で男性33.9%、女性17.9%。
(以上は『女性白書2019』、
都留民子「社会保障こそ貧困化の防止策―年金制度の事例」がネタ論文)

次に、日本の憲法25条、社会保障の役割、再配分とは、
消費税の逆進性、財源はあるなどを確認したあと、
日本の年金制度の現状と問題点を。
現役時代の格差をそのまま老後の格差に持ち込む業績主義、
ジェンダー不平等による低年金、
もっとも深刻なのは年金が貧困をなくす機能を果たしていないこと。

年金の国際基準も確認したあと、
普遍的年金(最低保障年金制度)をつくることが必要、
おかしいことに気づく力、声をあげるには労働組合という器が欠かせない、
人権感覚をみがこう、と訴えました。

感想交流でも実感こめた意見がたくさん出され、よい時間になりました。
本当に日本の年金制度の現実を学ぶと、
自公政権が国民の生活を守る意志が1ミリもないことを実感します。
政治を変えないと生活は壊されるばかりです。