長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

住むを考える学習会

金曜夜(1日)はオンライン学習会
「‟住む″を考える~社会保障としての住宅政策」でした。

33名が参加し、住むとは何かから始まり、居住の捉え方、
住まいの意味論、資本主義における住宅問題、日本の住宅政策の問題点、
住まいは人権、社会運動・労働運動の役割、
という流れで学びました☆ ありがとうございました!

感想文を一番に送ってくれた方の内容が的確ですばらしいので、
全文紹介します。

■今日も大変有意義なオンライン学習会で、参考になることや、
新たな発見がたくさんありました。

感想のところでお話したとおり、夫と私は築30年以上のマイホームに、
ふたりで暮らしています。病院、デイサービス、作業所、買物、
市役所、社会福祉協議会、図書館、家族会の集まりの場である
コミュニティセンター、これらのどれひとつが欠けても地域での
暮らしは成り立ちません。まさに顔の見える関係です。

ただ、日本中が抱える問題である、「老老介護」「独居老人」
「空き家問題」は身近に感じています。いったん健康を損ねたら、
地域で暮らすことが厳しい現実があり、持ち家があってもそこを
売って施設に入るかたも珍しくはありません。

住み慣れた家で、地域で最後まで暮らせたら、どんなにいいか・・・
それを願わない人はいないでしょう。

今日の学習はそんな私たちにとって、根幹となる「住まうこと」
「いきいきと暮らすこと」の大切さが身に沁みました。

バブル崩壊後、「新自由主義」が闊歩し、生きることのすべてに
「自己責任」が言われるようになり、もともと「他人に迷惑を
かけてはいけない」という日本人の考えにさらにピタッとはまり、
生きづらさを抱える人が増えたように思います。

私たちは、本当に誰にも迷惑をかけないで生きることなどできません。
介護を経験なさった長久さんもそれをお感じになるでしょう。
確かに介護は大変な面もありますが、それから得られることも
多くの気づきもあり、豊かな経験にもなっています。

夫が倒れ、夫の外出する場が極端に減りました。
デイサービスと病院がメインで、その他の日は一日リビングの
決まった席にすわって過ごすことが多いので、退屈だろうと思い、
リビングから見える庭に、いつも何かしらの花が見えるよう、
カーテンの材質を薄いものに変え、季節を楽しめるようにしたり、
家の中のしつらえも替えたりしながら、日々の暮らしが多少
華やぐように私なりに努力しています。

住まいは療養空間としても、文化的な空間としても、人間の尊厳に
関わる大事なものであることを私は肌身で実感しています。

今日の講座を聞いて、「うん、そうそう・・・」「やっぱりね・・・」
「なるほどなるほど・・」と、共感できることが多かったです。

最近北欧の暮らしが注目され、彼らの華美ではないけれど、
美しく整った家具や調度品、照明器具などを大切にするライフスタイルに
注目が集まっています。それは長久さんがおっしゃった、
「住居は人権」という考えと、国民全体で進めた「北欧型民主主義」の
発展が実らせたもののようです。

社会保障政策としての住宅問題という新たな視点を知って、
今後の運動につなげていけたらと思います。
防衛費よりも国民の暮らしに直結した、住環境と人権を守る
労働運動というものがあるというのが、今回の一番の発見でした。
本当にありがとうございました。

最後にこんな話を追加しておきます。
一軒家を売って、都心のいわゆる「タワマン(タワーマンション)に
住んだ老夫婦。風が強くて危なくて窓も開けられない、
木々の緑も見えない、鳥の鳴き声も聞こえない、
外に出るのがおっくうになり、うつ状態になって、引きこもりになったとか・・・

高層住宅を建てないヨーロッパの人たちの、修繕してくらす、
住み続けるのだというお話をきいて思い出した話です。

ありがとうございました。