月刊誌『経済』5月号を眺め終えました。
毎年5月号恒例の大特集「マルクス経済学のすすめ」です。
どの論文も力作。
とくに関野秀明さんの27ページにおよぶ論考がすばらしい。
精読しました。
資本論で展開される商品論、剰余価値論、資本蓄積論を
みごとに要約。これはなかなかできることではない。
さらにその要約をふまえて
現代日本の貧困と格差を法則的に把握し、
打開の力にするマルクス経済学の有効性を論じます。
よいです。
あと、「ガイダンス・経済学の学び」もそれぞれの
切り口でおもしろかったです。
中田進さんの論文も、
若者に語りかける姿勢で共感できます。
ちなみに、わたしと高知大学の霜田先生との対談(放談?)も
掲載されています(分量5ページ)。
編集部の方がよくまとめてくださいました・・・。
参考にしていただければ幸いです。
もう1本ぐらい、
超入門的なマルクス経済学のすすめ、的なものがあれば、
なお良いかなと思いましたが、
それを書ける人が少ないのが、
マルクス経済学陣営の悩みどころでしょうか(と勝手に推測)。
以下、特集にかかわるおもな論文です。
《大特集》 マルクス経済学のすすめ 2014
*世界的危機と『資本論』 今宮謙二
*日本経済分析と『資本論』 鶴田満彦
*マルクス経済学の基礎と貧困・自己責任論
関野秀明〔下関市立大学准教授〕
〔Ⅰ〕マルクス経済学入門――マルクスの剰余価値論とは
〔Ⅱ〕『資本論』基礎に貧困・格差を考える
*非正規化と大量解雇の中で君はどうする 中田 進
*原発推進勢力は誰か
――財界・大企業の原発固執姿勢を批判する 小松公生
*原発問題と経営学の課題
――電力独占とエネルギー転換 丸山惠也
【対談】若者とマルクスを語る
霜田博史(高知大学准教授) × 長久啓太(岡山県学習協)
【ガイダンス・経済学の学び】
角田修一/福島利夫/福田泰雄/谷野勝明
【紹介・各地の『資本論』学習】
◎東京・団地で『資本論』読み合わせ
◎関東A大学・『資本論』読書会
◎団塊の世代と『資本論』講座
*新メガ第Ⅳ部とその魅力 第18巻の編集にかかわって 天野光則
*マルクス経済学からみた社会サービス労働
――教育・福祉・医療労働の把握のために 二宮厚美