民青同盟岡山県委員会の新しい専従さんとの
個人学習会の2回目がきょう(20日)ありました。
内容はタイトルのとおり。
かなり一般的な内容にしました。
わたしも青年運動から離れて10数年たちますので、
青年運動の個別性や経験則を話すると
間違えますので、そこは注意して。
どんな運動団体でも共通する課題として学び、
問題意識を交流しました。以下レジュメ。
一。活動とはなにか、活動家とはなにか
1。運動団体の「していること」を思いつくまま並べてみる
◇会議、計画、方針づくり、集会、学習会、研修会、交流企画、
宣伝、デモ、交渉、要請、電話、情報収集・発信、ビラまき、
呼びかけ、討議、相談する・される、人集め、聴き取り、
チラシづくり、ニュースづくり、配布、独習、掃除、整理、
実務、財政活動・・・
◇こまごまとしたことの集合体。
◇「していること」の「配分」は運動団体によってちがう
◇運動団体がかかげている「目的の実現」のために組み合わせ
ながら活動している
2。担い手は「ひと」
◇さまざまな「していること」を担っているのは「ひと」
*専従者はそれを「仕事」としておこなっている
*非専従者は「自分の時間」をつかっておこなっている
◇担う人が増える、担う人の力が高まりあうによって
「できることが増える」
*できることが増えれば、目的実現へ近づいていく。
*担い手をどうつくるか。生み出すか。育てるか。どんな
運動団体でも、これは避けて通ることのできない、もっ
とも根本的な課題。
*育ちのきっかけ、動機は多様。さまざまな「たまたま」を
たくさん準備する。
*担い手を育てる柱となるのが学習教育。ほとんどの運動
団体は教育そのものを目的としていないが、教育のない
組織に未来はない。なぜなら担う人がいなくなるから。
*とくに「自主的な活動組織」の場合、「自分の生活時間」
との衝突がある。認識があいまいな活動に自分の時間は
つかわない。だから認識を高め、活動の意味とおもしろ
さを実感できるようにすることが大事。「ここでしかで
きないこと」を磨く。
3。活動家とは
◇「変化を起こす」ことを目的意識的に追求する人
◇自分が担い手になると同時に、担い手を広げようとする人
*仲間の力をかりる大切さを自覚している
◇「していること」もろもろを、主体的に、問題意識を
もって実践していく人
*「自分の時間」を主体的に活動にふりわける
*「睡眠時間」「労働時間」「家事労働時間」の増減で
活動への比重も変化する
*「自分の時間」と「活動の時間」はつねに天秤にかけら
れる宿命。意義や役割をきちんと認識できるかどうか。
世の中には楽しいことがたくさんある。おもしろいこと
もたくさんある。活動も楽しく、おもしろくなければ
時間を使おうとはなかなかならない。
*活動でしか味わえない喜び。悔しさ。出会い。自分の
成長を実感する大切さ。
*「自分の時間」をすべて活動にあてることは、よく
ない(活動だけ生活に注意)。
◇人によって得手不得手がある。だから集団で活動する意味がある。
◇人に言われないと動かない人は、「活動家のタマゴ」
*でも動けばプラス。出会いや成長のきっかけ。
*ほとんどの人は「タマゴ」から出発。活動家らしい活動家への過程。
◇組織はかならず、ひし形。先進部分と中間部分と停滞部分。
二。活動が苦しくなるとき
1。活動に困難はつきもの。困難のない活動などそもそもない。
◇簡単にいうと相手が強いから
*経済関係や政治関係の「目的実現」(つまり社会変革)は、
巨大な政府・財界が相手。
*政府・財界は「社会的力」「政治的力」をもっている。
金がある。マスコミも影響下に。私たちの社会的力は
「数が多い」というだけ。
◇活動が紆余曲折・ジグザグするのは必然。
*でもそのなかで自分たちの力も磨かれ蓄えられる。ぶつ
かりあいのなかで成長。「うまくいかなかった」ことの
なかに成長の芽を。「うまくいった」ことのなかに次へ
の課題を。
2。ひとりで頑張ろうとしてしまうとき、活動は苦しくなる
◇私たちの力は、「集団で活動している」ということ。
*集団で認識する、議論する、実践する。単純な足し算では
ない力を生み出す。
◇でも、自分のイメージどおりに「人が動く」ことは、ほとんどない。
*担い手が増えない、人が集まらない、他者の不十分さ・・・。
「なんで・・・」。
*自分の認識と、相手の認識は違う。立場が違えば認識も異なる。
あたりまえの前提。
◇自分ひとりで決めて、やってしまうほうが、ラク。
*でも視野はどんどん狭くなり、仲間不信のリスクも。やがて疲れる。
◇ひとりの力には、(その瞬間での)限界がある。集団の力には、
限界がない。
*集団の力への信頼を。集団の力こそが、現実を変える最大の保障。
3。コミュニケーションと学習活動を怠るとき
◇活動上の諸問題のほとんどは、ここから派生。
◇情報の格差・滞りが生む、認識の違い-問題意識・意欲の違いに
*あいまいな認識にはあいまいな実践。認識がバラバラだと実践も。
人間関係に影響。
◇「しなければならないこと」1つひとつに「なぜこれを」の議論。
*経験主義。「以前こうだったから、とりあえず今回も」。
ラクだけど面白くない。
*立ちどまりきちんと議論する。「どのように」を磨く努力。
◇実践は学習を必要とする。学習は創造的な実践の源泉に。
◇コミュニケーションと学習の「時間」と「場」を目的意識的に。
*組織的に、計画的につくりだす努力。さまざまな工夫も必要。
4。組織や集団が「あたたかさ」を失うとき-「正しい」だけでは不十分。
◇意義や任務だけで「~ねばならない」となる危険
*意欲があり、問題意識がある人ほど、「なんで」のリスク
◇つねに相手の立場にたつ努力(ただし簡単ではないことを自覚する)
*「やってあたりまえ」「できてあたりまえ」ではない
*1人ひとりの発達過程に目配せできるか
◇集まりたくなる集団になっているか。場になっているか。
*あいさつ、整理整頓、カフェ的要素、聴く聴かれる関係性
*自由に自分の言葉で意思表示できる組織か
三。活動における学習活動の位置づけ
1。学習活動のおもしろさ
◇ほんとうのことを知ること
*それ自体が喜びや驚き。人間の根源的欲求に根ざす。
*自分のものの見方・考え方が更新される。創造的な実践の源泉に。
*その更新された「視座・視点」でさらに対象を認識していく。
*それをまわりに伝えたくなる
―自分だけで完結しないのが本来の学び。
◇活動や要求への確信、生き方の変化、仲間の見方の発展
*展望つかむことで悲壮感でない活動。明るさは活動にとって
欠かせない。
2。学習活動に立ちはだかるもの
◇時間が必要。教材が必要。場所が必要。体力も必要。
ときには講師も必要。
◇体験のなかから、学習は嫌い、苦手という人も多い。
◇課題がたくさんあると、学習はあとまわしになりやすい。
◇方針として位置づけ具体化することが大事(制度教育、専門部の確立)。
◇とくに、新人さんにたいする学習保障。成長の保障。
活動への生き生き参加。
3。学習活動のスタイルについて
◇独習と集団学習の結合
*独習の「身につく力」「主体的に認識を発展させる力」と、
集団学習の長所(ひとりの狭い認識を正す、仲間との交流、
討論をつうじての認識の発展など)を結びつける。
*たくさんの「学びの場」(集団学習)を目的意識的につくり、
独習の「きっかけづくり」を提供していくことが大事。
*本を紹介しあう運動文化を。独習交流。ニュース、SNS。
◇ひと昔まえに比べて圧倒的に「集まりにくく」なっている状況の
なかで
*ひとつひとつの学びの場を必ず成功させる。来てよかった。
あの人を誘いたい。
*つまり魅力。時間もお金も体力もない。それでも参加したいと
思える魅力。
*かならず学びの場に「参画」してもらう(発言、討論、主体的参加)
*集まりやすい場を身近にたくさんつくる。
◇目立たない変化を積み重ねる努力―コツコツが学習活動のコツ
*2~3人でも、「継続した学ぶ集団」づくりを(それを担う
人も必要)
四。生き生き専従活動生活のこころえ
1。目標をもつ
◇目標をもてば、計画が生まれる
◇計画→実践→総括(評価)→目標の更新→計画→実践→総括・・・
2。学習を生活のなかに位置づける
◇独習計画。新聞や雑誌を読む習慣づけ。
◇自分の学習スタイルの確立
3。信頼される人になろう
◇時間を守る、約束を守る、あいさつをする、人の話を聴く・・・
◇できれば「めあて」にしてもらえるような人間に自分を成長させる
4。うまくいかない状況を「自分の力不足」と考えない
◇配分。もちろん科学的分析必要。ただし追い込まない。
◇小さな変化を大切に
5。私的生活を大事に
◇リフレッシュ。休みを意識的にとる。趣味の時間の確保。さぼる。
◇リーダーが生き生き活動できてこそ、人があつまる組織に