きのう(4日)は午後から大阪に。
生協労連「子会社・委託で働くなかまの交流会」で
講師仕事でした。テーマは「働き方と労働組合を考える」。
ぼくの講義の前に、仕事がある平日の24時間を
どんなふうに過ごしているか書いてみて
交流するというグループワークが。
基本みなさん長時間労働で、ゆとりがないなあという話に。
それを受けての講義でした。
以下、レジュメの概要(かなり省略して紹介)
一。働くことをめぐって
1。「働かない」という選択は、ほとんどの人ができない
◇私たちの社会は「商品を買う」ということで大部分の
生活が成り立っている
◇お金を手に入れるために「働く」(働く理由の基本線)。
そしておもに3つの方法がある。
①自営業で働く(600万人)、②農林漁業で働く(200万人)
←雇用関係なし組
③誰かに雇われて働く(5200万人)←雇われ組(これが労働者)
*「労働者とは、使用者に使用されて労働し、賃金を
支払われる者」(労働契約法2条)
*使用者と労働契約。自分の働く力と時間を切り売りする。
それを使用者は買う。
*労働力販売の対価として賃金を得る=生活費。
■「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を
充たすべきものでなければならない」(労働基準法第1条)
*人たるに値する生活って、どんな生活でしょうか?
*労働力は、自分の生命活動と一体。「身体が資本」。
かけがえのない「売り物」。
*適切に労働力を長持ちさせ、再生産できる「働き方」「生活」
でなければならない。
2。ゆとりをめぐって
◇人たるに値する生活・・・「ゆとり」がキーポイントに
◇ゆとりと。
◇労働者には違いがいっぱい。目につきやすい。
でも1人ひとりには「人間の尊厳」がある。
*尊厳とは、「人間を非人間的に扱ってはならないこと、人間
としてふさわしい扱いをすべきことを意味する」
(高橋和之『立憲主義と日本国憲法 第3版』有斐閣)
*人たるに値する生活を送る権利がある。それは誰にも奪えない。人権。
二。労働条件にこだわる。労働条件は交渉するもの。
1。労働条件と生活のゆとり(自分らしく生活する条件)は直結している。
■労働基準法第2条「労働条件は、労働者と使用者が、対等の立場に
おいて決定すべきものである」。ただじっさいは、労働条件を決
める力(先に提示できる力)は、使用者が持っている。業務内容、
雇用形態、人事権も使用者に決定力がある。つまり立場が強い。
■労働者はひとりで労働条件の交渉(条件提示すること)はできない
→労働組合が必要。
2。職場の「おかしさ」に慣れていませんか
◇人間は劣悪な環境でも、「慣れる」「順応する」ことができる。
適応力が高い。
*「年休とれないのもあたりまえ」「休憩時間が少ないのもあたり
まえ」「残業代がでないのも・・・」「毎日夜遅く帰宅・・・」「この
賃金では将来不安だが・・・」
*人間らしさの基準や限度は、気をつけないと下がっていく。あき
らめる。「折り合い」という名の「がまん」をする。「しょうが
ない」「どこもこんなもんだ」「働けているだけで幸せだ」・・・。
あえて考えない。異議申し立てをすることのほうがエネルギーを
使う。
◇健全な人権感覚は、学びと議論がないと磨かれない。さびつく。
*自分の生活(人生)や仕事の質を問う。大事にする。息苦しく
ないか。ゆとりはあるか。労働条件にこだわる。他人まかせに
しない。みんなが、かけがえのない1度きりの人生を送ってい
る。だから他人の人権侵害に対しても怒る、ほっとかない。
三。労働組合の意味と最低限の働くルールを知る
1。雇われ組の先輩たちのお話(歴史)。
2。日本国憲法28条の、労働基本権(労働三権)
◇「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする
権利は、これを保障する」
*使用者と労働者は、労働契約でむすばれる私的関係。ここに
憲法は介入し、国家に「労働者の団結とたたかいを法的に保
護せよ」と命じている。一方的に労働者に肩入れ。
*労働者が「ものが言える」こと-よりよい職場づくりの土台
であり保障。
3。知っておきたい働くルール
(知らなければ法律違反で働かされていても気づけない)
◇憲法27条2項。勤労条件の法定主義という。最低限の基準を
使用者に守らせる。
◇働くルールを知る(ごく一部)
【賃金の原則】
【一方的な労働条件の変更はしてはならない】
【労働時間の原則】
【休日・有給休暇の原則】
【労働安全衛生について】
4。要求で団結する。「みんなの要求」をつくりあげ、団体交渉をする。
◇職場の状況、それぞれの生活状況、将来不安・・・。
不満やグチを出せる安心した場が必要。
*「これはなんとかしたい」の要求を一致させ、会社と交渉する。
要求する労働者の数が多ければ多いほど、使用者には圧力となる。
*生協との関係で、子会社・委託はそもそも困難な条件がある。
矛盾は大きいが団結は難しい。ネットワークを外に広げるねばり
強い努力を(今日の集まりのひとつの意味)。
5。労働組合活動は、自分の時間と労力をつかう。活動を維持する
ために組合費も必要。
◇大切な「自分の時間」「労力」「お金」を使う活動。だから納得
がないと難しい。
◇学校で教えてくれない労働組合の役割、労働者を守る法律の数々。
◇多くの労働者にとっては労働組合を「知る」ことが最初の1歩になる。
*たくさんの「きっかけ」をつくることが大事。
さいごに:自分の経験や思いを軸に、労働組合の大切さを語ろう。
仲間を増やそう(訓練)。あなたには、なにができるだろうか。
以上。
会社には非公然でがんばっているある県の仲間が
参加して
おかやまのよく知っている仲間のみなさんが中心で
運営・
しかし各県から出された
働き続けらる職場をつくる
グループワークでも途切れぬ交流。それ
終了後の懇親会はわいわい楽しく。
おとなりには生協労連
労働運動ジェンダーでは問題意識が一致。
若者との距離感
今月にはコミュニティ・オーガナ
研修セミナーを受けるという柔軟さ。
たぶん産
びば!