長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

5年ぶりの岡山労働学校! 4月から!

コロナ禍で2019年秋の93期(受講32名)以降ひらけなかった
岡山労働学校が、5年ぶりに帰ってきます!

第94期は「職場・組織の人間関係教室」。
4月11日(木)から毎週木曜日の開催です(全8講義+レク)。

 職場でも組織でも、人間関係はいつでも「悩みごと」の上位を占めます。
労働組合や民主団体などでも「仲間づくり」「職場での対話」が強調されますが、
関係構築の課題はスローガンに終わりがちで、簡単ではありません。

今回の労働学校では、めんどうくさいけど、おもしろい、
その人間関係にさまざまな角度から焦点をあて、学んでいく内容になります。

具体的には「人間関係とはそもそも」「関係構築の基礎スキル」
「心理的安全性」「マイクロアグレッション」「職場におけるハラスメント」
「ジェンダー・多様性」「労働者の連帯」「集団づくりの基礎スキル」
などをテーマに学んでいきます。

労働学校の魅力は、面白く深い学びと、
年齢や職種・職場をこえた交流にあります。
ふだんなかなか会うことがない人との交流は、
視野の広がりや労働者の仲間意識を育てることにつながります。

講師はすべて長久(岡山県学習協事務局長)です。
講義は70分で、前後に交流の時間があります。
オンラインでの配信はありません。
詳細チラシに。目標は受講生35名。

岡山のみなさん、どうぞよろしくお願いいたします!!




朝鮮戦争、治安戦、アダムスミスの夕食、非戦論

最近読み終えた本。


■『朝鮮戦争 無差別爆撃の出撃基地・日本』(林博史、高文研、2023年6月)
朝鮮戦争のなかで米軍による朝鮮北部への徹底的な破壊、
無差別爆撃。その出撃・輸送・兵站基地としてフル回転した在日米軍基地。
もう10数年前だけど、朝鮮戦争を集中的に学んだことがあって、
ほんとうに日本は隣国の悲劇の上に戦後歩んできたことを痛感した。
今回あらためて、ナパーム弾を製造していた日本人労働者の写真などみて、
ガツンと頭を殴られた気持ちになった。
あと米軍の無差別爆撃。徹底的な破壊と殺戮。日本への空襲や
ベトナム戦争などもそうだけど、国際法に違反する無差別殺戮の空爆を
アメリカはずっと、裁かれてない。だからイスラエルの大量無差別爆撃や
殺戮に対して寛容なのだろう。痛みを感じていない。

■『日本軍の治安戦 日中戦争の実相』
 (笠原十九司、岩波現代文庫、2023年12月)
日中戦争全体のなかでの、華北での治安戦の経緯や実相を学べる。
笠原さんの『南京事件と三光作戦』を2006年に読んで以降、
華北での日本軍の蛮行は「2度と読みたくない」と思っていたけど、
また読んでしまった。プロローグの記述がしんどすぎた。
とてもここで紹介できない。映像化不可能の、悪魔の所業だ。
でもそれがあたりまえになってしまう、戦争の狂気と差別意識。
また、「三光作戦」=燼滅掃討(じんめつそうとう)作戦は、
まさに現瞬間にガザ地区で行われているものでもある。
「治安戦は過去のことではなく、現代の戦争である」(317P)の
指摘がずしりときた。

■『アダム・スミスの夕食を作ったのは誰か? これからの経済と女性の話』
 (カトリーン・マルサス著、高橋璃子訳、河出書房新社、2021年)
フェミニズム経済学者による16話。エッセイ風で読みやすい。
新しい発見はあまりなかったけど、
ジェンダーやケア視点を見落とさない経済学は重要だ。

■『イスラエル軍元兵士が語る非戦論』
 (ダニー・ネフセタイ、永尾俊彦構成、集英社新書、2023年12月)

イスラエルの教育の中で育ち、愛国心や抑止力による平和を
当然のものと考えていた著者(埼玉県秩父在住)が、
それを問い直し、「抑止力論」を否定、
日本国憲法の精神にたどり着く過程や実践が語られる。
イスラエルの人の「見方」「考え方」も自身の経験をともなって語られ、
なぜガザでの大量虐殺を多くの国民が「仕方のないこと」と
肯定するのかも、背景がよくわかる。
語られる内容は安全保障のみならず、日本の政治のこと、
私たちの日常の実践までと幅広い。
すべての問題は「人権」に行きつくという気づきもふくめ、
とても説得力があり、良書。
民医連の平和ゼミナールとかでも課題図書にしたらいいなと思った。

今年はじめての県外講師仕事

6日(土)は、徳島日帰り仕事。
午後、徳島民医連の事務幹部スキルアップ研修で講師のお役目。
13:30~17:30までびっちり。
最初に「満足度の輪」交流からスタート。

講義は、育ちあう職場づくり、コーチングの基本、
目標達成の基礎スキル、などの内容でした。
もちろんディスカッション入れてます。

このテーマは僕自身はあまり実践例を語れないので、やや苦手意識あり。
一般的な話になりがち。修業が足りません。

みなさんの受けとめからしっかり学んでいきましょう。

憲法講座第3講義は人権について

5日(金)の夜は、はオンラインの憲法講座、第3講義金曜回。
リアルタイムで23名が参加されました。
チェックイン交流は「2024年、こんな年にしたいー!」でした。

第3講義テーマは「私が私でいられるために―人権を託されて」。
基本的人権の核心である13条「個人の尊重」や「尊厳」について深め、
憲法の人間観を考えました。また第3章の人権の条文を1条1条解説。
こういう学習会は少ないと思います。

講義は後半、人権の担い手である「個人」とは何か、
日本の学校教育における人権教育の課題、人権侵害の基構造や、
人権を守るためには「たたかう条件」、
連帯や運動・組織の役割が重要だと強調しました。

 感想交流では、これまでの経験や職場での実体験などもふまえて語られ、
みなさんの受けとめが想像以上に大きかったと感じました。
お2人の方の感想を紹介します。

■人権の学習でしたので、色々な出来事を思い起こしながらの聴講でした。
感想交流も話だしたら、ひとりでずっと話してしまいそうなぐらい、
思いがあふれますね。心に響くキーワードを書きとめながら、
涙がでそうでした。
「あなたはあなたというだけで無条件に存在が肯定されるもの」
「だれもがかけがえのない唯一無二の存在」
「尊厳は誰にも奪われてはいけない」
「自分が自分でいるためにとても大切なものが内面の自由」
「人権を他人ごととして学ぶことが多い。だから人権を自分ごとにできない」
「新しい人権感覚は貪欲に学ぶ」。
相手を尊重し、包み込めるように、常に人権を意識していきたいと思います。
そしてまた、周りに少しずつでも共に学び、
考える輪を広げていきたいと思いました。ありがとうございました。
次回も楽しみにしています。

■今回の学習で改めて感じるのは、やはり「基本的人権の保障」の重みです。
個人」という概念が薄かった日本人にとって、
この言葉の裏に積み重ねられた幾重にもわたる、
多くのそれを手にいれることができなかった人たちの
情念のようなものさえ感じます。
当たり前の人としての権利ということが、
何条にもわたって記載されていることは、新鮮な驚きでした。
長久さんもおっしゃっていた、個人の内面の権利の保障について、
じつに丁寧に細部にわたって明文化されていることは、
世界的にも珍しいとのこと。
それはつまり逆に言えば、あまりにも個人の内面が疎かに
されていたということですね・・・
それをあの当時のアメリカはよく知っていて、それが日本を
戦争に走らせた原因のひとつだと考えたのでしょう。
ですから、この憲法を読むとき、以前から感じていた
「崇高な精神性」や「深遠な理想」「文学的ともいえる格調高い文章」が、
日本人発祥のものではなかったのだと改めて気づきました。
そうは言っても、現在の日本の社会は、相変わらず個人よりも
集団が優先されているように感じます。
たとえば芸能界、スポーツ界、政界、企業のありかたなど、
とても個人が大切にされているとは思えません。
そして一番強く思ったのは、「人権感覚はさびやすい」ということです。
私たち一人ひとりが学びや問いを止めてしまったとたん、
人権感覚や人権意識は下がっていってしまうということは、
今後も胸に深く刻んでいかなければと思いました。
こういう学習は生涯にわたって、繰り返し繰り返し学ぶ必要があるなと感じます。
それぐらい目にみえるものでもなく、数値化できないものなので、
私たちの心の中に存在させて、温めて、声に出していくものなのですね・・・
今回の学習を通して、勇気も出ました。
もし、私が困難に陥った時、憲法が私を助けてくれるのだという確信です。
私にはこんなにたくさんの権利があって、私は死ぬまでその尊厳を
守られる存在であるということは、
今後の生きる助けになり、誇りを取り戻した気分です。
今回もありがとうございました。次回が楽しみです。

2024年もどうぞよろしくお願いいたします。

大晦日から、何もない日々を過ごしました(笑)。

本当は昨日(2日)山登りしようと思っていたのですが、
能登半島地震の報道で神経が張ってしまい、そうした気分になれず…。
1日にクレールで映画『市子』観たのと、
紅白をオンデマンドでみた以外は、家で本読んでました。

■『のんのんばあとオレ』(水木しげる、講談社漫画文庫、1997年)
これは傑作。水木しげるの原体験風景。のんのんばあと、
父の言葉が(ときどき)深く示唆に富む。ユーモアや胆力も。
随所に登場する妖怪たちも愛らしい。死が近い、死との境界で生まれる
考えや思想は私たちの生き方を楽にしてくれる。

■『部屋づくりの法則』(高原美由紀、青春出版社、2023年)
先日赤旗新聞で著者の記事を読み、「空間デザイン心理学」に
興味引かれ本書も購入。空間が人間に与える影響は
「会議をデザインする」などで強調してきたので納得の部分が多かった。
終章で著者の哲学も語られていて説得力あり。

■『ルーツのある子どもたち 民族学級という場所で』
                (洪里奈、クレイン、2022年)
恥ずかしながら、民族学校と民族学級の違いすら認識がなかった。
「在日朝鮮人」当事者(3世)である著者の民族学級フィールドワーク。
真摯な実践と苦悩、民族学級という場のもつ意味。
「ルーツ」という言葉や名前の意味や変遷。知れてよかった。

■『真のダイバーシティをめざして 特権に無自覚な
マジョリティのための社会的公正教育』(ダイアン・J・グッドマン著、
出口真紀子監訳、田辺希久子訳、上智大学出版、2017年)
もっと早く読んでおけばよかった。特権に関する本かと
思っていたけど、内容の大部分は特権集団に対する教育方法と実践、
教育者の心構えについてだった。それがよかった。
労働者教育にも役立つ学び多し。新年早々いい本読んだ。

■『これからの建築 スケッチしながら考えた』
              (光嶋裕介、ミシマ社、2016年)
建築家の方の本を読むのは昔から好き。すぐれた建築家は、
人間や社会のありようと建築の関わりをつねに考え、
幅広い教養も兼ね備える。真摯に「空間と対話する」11話。
とても読みやすく、楽しく、共感多い1冊だった。

 

2023年のふりかえり

【健康面】
11月に1度だけ風邪でお休みした以外は、元気に過ごせた。
秋に行った健康診断で視力低下(1.0と0.8)を数字で見せられ
やや落ち込む。わが目よ、もうちょっとふんばってくれ~!
来年9月でいよいよ50歳。

【引っ越して1年】
昨年12月に岡山市内に引っ越して、丸1年。生活はめちゃくちゃ
楽になった。通勤時間徒歩7分。毎日お昼休みも帰宅。
にゃんずも長時間留守がなくなり大喜び(たぶん)。
買い物に行くにも岡山駅に行くにも便利なところで、場所最高。
朝の散歩は旭川河川敷を行くルートが定番コースで気持ちがいい。

【仕事】
岡山県学習協のお仕事は、引き続きオンライン講座に多くの
参加者が受講していただき盛況。今年講義レパートリーに
加わったのは「マイクロアグレッション」と「雑談」。
どちらも人間関係構築、仲間づくりに欠かせないもので、
今後も広げていきたい。講師活動はコロナ5類で県外出張も
どんどん増えてきて大忙し。年間講師回数は220回を超えて
過去1番多かった。

【読書】
最近読書記録をつけなくなってしまったので、年間何冊
読んだのかは不明。必要に迫られての読書が半分、
それ以外の乱読が半分、という感じか。自宅2階の2部屋が
書棚スペースとなりまだ余裕あり。引っ越しで本探しも楽になった☆

【旅行】
7月の愛媛講師仕事のあと「津和地島」で後宿。瀬戸内海の
小さな島で旅館の料理に舌鼓。
8月、長崎県の対馬に。台風接近で3泊予定が2泊に。対馬の自然を満喫。
同じく8月に北海道講師仕事の前に千歳と登別温泉に。地獄谷よかった。
10月下旬に相方の散骨ツアーで沖縄4泊5日。
天気バツグンで最高の旅に。よかった。

【映画・観劇】映画は16本を映画館で。良かったのは
「BLUE GIANT」「パリタクシー」「ほかげ」
「窓ぎわのトットちゃん」「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」。
観劇は、9月に自宅から徒歩5分の場所にオープンした
ハレノワ(岡山芸術創造劇場)で
「ガラパコスパコス」と「わが友、第五福竜丸」。

【相方】
亡くなって8月で2年。散骨もすべて終わり、ひと区切り。
8月に医療従事者のみなさんに向けて
「ALSと呼吸ケアを家族の立場から」の講演機会をいただく。
久しぶりに主治医の難波先生にお会いする。
8月に長野講師仕事の機会に松本在住で相方と交流のあった
ALS患者さんと5年ぶりぐらいにお会いする。お元気そうでほっとする。

【その他】
7月に仙台で講師仕事があり唯一未踏の県だった宮城県に。
ついに47都道府県コンプリート。
山登りは5月に赤穂の「雄鷹台山」、12月に備前の「天狗山」の2回だけ。
どちらも気軽に登れる低山。
どうでもいいけど、最近就寝時ほぼ毎日のように夢をみる。
わけわからない夢が多い(笑)。


今年も充実していた。
でも日本社会や世界の現実を日々つきつけられて、
もっともがきながら頑張らねば、とも思う。
一方で無理しすぎず、ずっと長く活動していきたいとも。
不真面目さと謙虚さを同居させつつ、2024年も元気に過ごしたい。

みなさま、よい年末年始をお過ごしください。

広島自治労連で心理的安全性講義

昨夜(20日)は広島県自治労連主催の連続学習会(4回目らしいです)。
「心理的安全性で元気な労働組合運動を」をテーマに
オンラインで1時間お話しました。その後質疑応答や感想交流など。
42名の参加だったそうです。

昨年から講義レパートリーに加わった心理的安全性。
2023年は本当に多くの学習機会いただきました。
このテーマで何十回もしたと思います。
9月には学習協で心理的安全性の実践技術講座もし、
11月には雑談講座の準備でさらに深め、
より実践的な話ができるようになりました。

1人ひとりを大事にし、多様性が生き、安心してぶつかりあいもできる。
チャレンジが促進される。それが心理的安全性です。
多くの組織のあたり前の文化になってほしい。
2024年もこのテーマの学習会多くなりそうですが、
引き続き、がんばります。

あっという間に師走も過ぎていきます。

この1週間も、まあまあ忙しかった。

12月は実務量も増える。
会費や「友」の請求書つくったり配達準備もあったり。
まあ25年やってるんで慣れたものですが。来週は集金がんばる。

先週は、毎日のように講師依頼がある依頼ラッシュウィークだった。
来年の予定が埋まっていく。
さあ、2024年もがんばるぞ、という意欲もわいてきます。

以下、講師の活動。

水曜日(13日)午後は、
自治労連近畿ブロックの書記部会総会でオンライン講演。
「書記が安心して力を発揮できる組合に~心理的安全性をキーワードに考える」を
テーマに1時間弱。
今回は心理的安全性を高めるチームでの実践編を中心にお話しました。
その後グループディスカッションで交流されました。

木曜日(14日)も午後、
京都民医連のソーシャルワーカーのみなさんの勉強会でオンライン講演。
「住まいは人権」をテーマに50分ほどお話。
感想交流ではみなさんの受けとめよく、良かったです。
主催者は「市長選挙の前にできてよかった!」と☆

金曜日(15日)の夜は、オンラインの憲法講座の第2講義。
リアルタイムで23名が参加。
「胸が熱くなる!憲法の自己紹介とビジョン」をテーマに学びました。
感想交流でみなさんの受けとめを共有し、さらに深まります。
憲法の学びはいつでもおもしろい。

土曜日(16日)午前中は、
福岡・佐賀民医連の第45期県連職責者研修でオンライン講演。
「心理的安全性を高める職場づくり」をテーマに休憩はさみ90分。
1月と2月にも同じ研修あり、
3回にわけて200人を超える参加が予定されています。

「ほかげ」、中江兆民「三酔人経綸問答」

今日(12日)は午後から休み。
シネマクレールで塚本晋也監督の「ほかげ」鑑賞。
前半の、部屋のなかだけで展開されるストーリーが
緊張感ありすぎて怖かった…。
趣里さんも「ブキウギ」とはまったく別人。
森山未來さんの身体表現力もすごかった…。
戦争体験という悲嘆や怨念や狂気を背負わざるをえなかった人たち。

また、映画鑑賞の前に寄った丸善にて、
『100分de名著 中江兆民「三酔人経綸問答」~話し合い、共に変わる』
(12月NHK Eテレで放映)を購入。帰宅後一気読みしました。

平田オリザさんの解説もよくて、
書き言葉の進化や時代背景もよくわかるし、中江兆民に親近感。
対話の精神、シンパシーよりエンパシー(共感する力)、
など読み解いていく。大事。

「『三酔人経綸問答』に登場する洋学博士、豪傑君、南海先生が
行っているのは、あなたの立場には同意はしないけど、理解はする、
という話し合いです。私はよく、エンパシーとは『席を立たない
こと』だと説明しています。どんなに意見が対立していても同じ
テーブルに着く。そしてそこに居続ける。兆民が描く三酔人は、
誰も匙を投げて席を立ったりはしません」(48P)

日本人「慰安婦」、コープ鴨方、林研修へ

きのう(11日)も猫に起こされ1時半ぐらいに起きて
ぼおっとしながら読書(もちろん健康のために2度寝してますよ!)。

『日本人「慰安婦」を忘れない』(吉川春子、かもがわ出版、2023年5月)を
読み終える。
2009年にビルマ従軍の日本人「慰安婦」の「名簿」を入手し、
現地調査もしたが、当事者に会えず、わかったことも少しだけ…。
なぜ日本人「慰安婦」は1人も名乗り出せなかったのか。
戦前の遊郭の実情、運動側の課題、日本社会の課題。つきつけられる。


午前中は、生協労組おかやまのパート部会新人研修をコープ鴨方店にて。
労働組合そもそも話のあとの交流で
「うちの人は長時間労働。朝7時に出て夜10時頃帰ってくる」
「残業代も出てない」と…。「え?法律違反じゃないですか」と聞くと
「じつは教員で」と。あ、給特法…。という展開になりました。

午後は事務所で少し仕事したのち、林精神医学研究所の中堅職員研修で
防衛費大増額問題の講義。なんか情勢、ガザのことなどあるからか、
受けとめがまっすぐな感じになってます。
そのモヤモヤした感情を行動に移すには、場所と仲間が必要ですね。

「心が震え、涙が出ます」

きのう(9日)の憲法講座第1講義。
ある方の感想が素晴らしいので、紹介します。
読んでいて、ちょっとウルウルきました。

■これまでの学習会とは異なり、今回はいつもよりも
襟を正して講座にのぞみました。学生時代に憲法に
ついてはざっくりと学んだ思い出はありましたが、
今回改めて制定にいたるまでの時代背景とそれに
関わった人たちの思いを知って、深く感銘を受けました。

確か、NHKでもこのあたりのドラマが白洲次郎を
主人公にしてあったと思います。明治憲法を手直し
したものが、GHQによってけんもほろろに却下
されたことも覚えています。日本国憲法はアメリカ
から押し付けられたものだと批判する人もいますが、
今回の学習でその成立に3人の経歴もちがった人たちの
尽力があったことは、これは歴史的な奇跡というほか
ないでしょう。

中でも当時22歳だったベアテさんの草案に目を通して、
心が震えました。誰よりも人間の根幹のありかた、
つまり男女同権や男女平等、女性や児童、弱者に
対しての眼差しは、おそらく当時の日本人にはなかった
ものだと思います。

話は少し飛びますが、ウクライナ侵攻やイスラエルに
よるガザ地区への攻撃を見ていると、世のなかで人の
いのちがまったく大切にされていないことに怒りが
こみ上げてきます。人類の社会システムの構築にあたって、
その基本となるのは、「健丈な肉体と権力を持った
年齢の高い男性」が作ったものがベースになっていて、
そこには女性や弱者の意見は反映されていません。

もし、日本国憲法の制定に男性だけが関わって作られて
いたなら、今の私たちの生活はひょっとするといまだに
戦前の「家父長制」のままだったかもしれません。
与党の中には「日本会議」のような時代錯誤の考え方を
ベースに活動をしている国会議員が多いのは、
そのような明治の幽霊、明治の戦争賛美、明治の
男性優位の社会へのノスタルジーがあるからでしょう・・・

それがどれだけ日本の国際社会における人権意識の
低下を引き起こしているか、彼らは想像すらしないでしょう。

この美しい97条と9条を読むとき、心が動かされ、
強い感動がせまってきます。憲法を学ぶことは、
難しいことではなかったのだ、これが私たちが日本という
国で生きていくための原点だったのだという思いを持ちました。

こういう授業を高校時代に受けていたら、ひょっとしたら
私の進む道も違ったかもしれません。次回も楽しみです。

世界の中にはいまだに宗教的な制約のなかで自由に学ぶ
ことも経済的に自立することもできない女性が多くいます。
子どもを産むことだけが使命とされ、心も体も傷ついて
いる女性がなんと多いことか・・・。ベアテさんの深く
高い人間の理想を知るとき、男性社会の中に彼女が残した
小さな、しかし偉大な足跡に勇気をもらい、心が震え、
涙が出ます。この学びをどう生かしていくかが、
今後の私の課題です。

ありがとうございました。

憲法は胸アツ

きのう(9日)午後は、憲法講座の第1講義土曜回。
リアルタイムで14名の参加。憲法の制定過程を中心に学びました。

金曜回のときもそうだったのですが、今回も目を潤ませながら
感想を語られた方がお2人も…。ベアテシロタさんの思いと
行動に胸がいっぱいになったと…。
憲法講座は受講生の7割ぐらいが女性で、24条の下書きを
書いた22歳のベアテさんの言葉と信念に心震える学びになるようです。
憲法の制定過程は人間ドラマに満ちています。

引き続き、長久自身が憲法を学んできて胸が熱くなった
ポイントを紹介しながら、残り4講義、がんばりたいと思います。

きのう参加されていた方の感想を紹介します。

■憲法について学んだのは正直学生以来でした。組合活動の
中での憲法9条に対しての活動にも参加したことはありましたが、
きちんと理解していなかったため、今回の講座を受講させて
頂きました。憲法は私たちが生きていく上でなくてはなら
ないものであると理解していましたが、憲法の制定の導入
部分の話は学校で習うこともなく、初めて聞く内容でとても
感銘を受けました。長久先生のお話はとてもムネアツで特に
憲法作成に日本人ではなくともここまで尽力して下さった
偉人がいることに驚きでした。わが日本国憲法を知ること
からはじめ、その重要性や伝えるべき内容を理解したうえで、
周囲に広めていけるような人材になれるよう、今後の
長久先生のご講義にて近づけるよう尽力したいと思います。
この度は貴重なご講義をありがとうございました。今後とも
宜しくお願い致します。次回も楽しみにしています!!!