長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

読書記録

字幕屋の気になる日本語、休み方の知恵

最近読み終えた本。どちらも良かったです。『字幕屋の気になる日本語』(太田直子、新日本出版社、2016年7月) 言葉への愛を感じたエッセイ集。読みやすさ抜群。セリフ1秒につき4文字という映画字幕の制限は、想像以上に苦悶の所業。だから鍛えられる。伝える…

あたらしい、恋する、楽しく、はじめての、人民戦線、世界を

最近読み終えた本。いつものように乱読です。『あたらしい憲法のはなし 他二篇』(高見勝利編、岩波現代文庫、2013年) 憲法が公布・施行された1946年~1947年にかけて、新憲法を国民に普及するためにつくられた3つの小冊子をそのまま収録。平易な説明が光る。…

触覚という感覚器官の根源性を考えた

きのうのソワニエ授業で紹介した本。『触楽入門―はじめて世界に触れるときのように』 (テクタイル 仲谷政史・筧康明・三原聡一郎・南澤孝太、 朝日出版社、2016年1月) おもしろかった。触覚という感覚器官が、いかに五感のまとめ役というか、根源になって…

生活優先の、格差と貧困、雑学の、18歳選挙権時代の

最近読み終えた本。『生活優先の原理ー福祉社会への条件』(松原治郎、講談社現代新書、1973年) さすがに古さを感じたが、いくつか問題意識ももらう。生活は、健康で安全に生きられること、豊かに(ゆとりと文化)生きられること、人間的な人生や暮らしを続けら…

川嶋みどり 『「て・あーて」に学ぶ』

さきほどのソワニエ授業で紹介した本。『「て・あーて」に学ぶ―川嶋みどり講演会「今求められる看護の力」によせて』(美須賀病院看護部、創風社出版、2015年) ぼくも著書を愛読してきた看護師・川嶋みどりさんの講演会とその感想などをまとめた1冊。あらた…

ブラックバイト、障害者と戦争、官邸支配、もうひとつの太平洋戦争

最近読んだ本。きのう(18日)の林友の会の講演のために、戦中の障害者の体験手記を2冊読みました。『ブラックバイトー学生が危ない』(今野晴貴、岩波新書、2016年4月) ブラックバイトの定義は、「学生であることを尊重しないアルバイト」。たとえば、「テス…

『「死」と向き合う「おくりびと」たち』

昨日のソワニエ授業で紹介した本。『「死」と向き合う「おくりびと」たち』(中村三郎&Group21、双葉社、2016年5月)■葬儀業界の「ひと」を取材しています。 ・エンバーマー(遺体衛生保全士) ・納棺師 ・葬祭ディレクター ・遺品整理人 ・火葬場職員 ・お墓デ…

『市民に選挙をとりもどせ!』(大月書店)

『市民に選挙をとりもどせ!』 (小沢隆一・田中隆・山口真美編著、大月書店、2013年)を読み終える。 日本の政治と選挙、選挙制度、「べからず選挙法」である公職選挙法、でもこれはできるぞ選挙運動・政治活動、という内容。ほんとに日本は制度として主権者…

『驚きの介護民俗学』を紹介して

今日(7日)のソワニエ看護専門学校での授業で、『驚きの介護民俗学』(六車由美、医学書院、2012年)を紹介しました。 民俗学を専攻した著者が介護職員として、聞き書きを中心に高齢者の記憶と体に染み込んでいる文化や物語を記録する。介護現場は民俗学の…

くちびる、免疫学、日中関係、ホッブズ、時間を

最近読んだ本。相変わらず、なんの系統性もない。『くちびるに歌を』(中田永一、小学館、2011年) 同名の映画を昨年?みて感動。この原作も味わいがあったが、映画は柏木先生の背負っているものを描き、「手紙」の歌詞とストーリーが交差してより感動が深くな…

『民主主義』(文部省著・西田亮介編) 書評

*『学習の友』6月号に書いた、『民主主義』(文部省著・西田亮介編、幻冬舎新書、2016年1月)の書評です。そのまま転載します。 「そのとき」「その時代」でしか書けないような熱をおびた言葉にでくわすことがあります。本書は民主主義を根本から、その価値…

『国が地域医療を滅ぼす日』(大野健次著)

きのうのソワニエ看護専門学校の授業で紹介した本です。『国が地域医療を滅ぼす日―迫りくるデュオ・ピークスの脅威』 (大野健次、ワニブックス、2016年4月)」 *著者は「笑って死ねる病院」で有名になった、金沢の城北病院の院長です。専門は消火器内科。…

『僕が家庭科教師になったわけ』

きのうのソワニエ授業で紹介した本。学生さんの反応もけっこうありました。もう若い世代はジェンダーの縛りはかなり無くなってきているなという印象です。『僕が家庭科教師になったわけーつまるところの「生きる力」』 (小平陽一、太郎次郎社エディタス、20…

ソワニエ読書日記で紹介ー『さくらのとんねる』

さきほどのソワニエ看護専門学校の授業の冒頭で、この本を紹介しました。『さくらのとんねる 二十歳のえみる』(風見しんご、青志社、2016年4月) 風見さんは9年前、愛娘を交通事故で突然亡くされました。とんでもない苦しみと絶望的な悲しみ。その回想と歩…

1か月ぶりの読書記録更新につき・・・

淡白な紹介になってしまいますが・・・。最近読んだ本です(読んだ順に)。『NO.6 #5』(あさのさつこ、講談社文庫、2009年)ほぼ矯正施設内での展開。若干くどさを感じながらも、さくさく読んでいく。『NO.6 #6』(あさのさつこ、講談社文庫、2011年)理想都市崩壊…

死について考えると… 『このあと どうしちゃおう』

出版されたばかりの、『このあと どうしちゃおう』(ヨシタケシンスケ、ブロンズ新社、2016年4月)を買って読む。 著者の絵本デビュー作『りんごかもしれない』の想像力にも感嘆しましたが、今回の絵本もなかなかの面白さ、奥深さです。亡くなったおじいちゃん…

『「女の仕事」のエスノグラフィ』 中谷文美さんの講義は今週木曜

『「女の仕事」のエスノグラフィ バリ島の布・儀礼・ジェンダー』 (中谷文美、世界思想社、2003年)を読み終える。 インドネシアのバリ島に20か月住みこみ、生活をともにしながら、村の女性たちの「3つの仕事」について調査。「その生活にとけこんで」という…

勤勉は美徳か?、お買物で、侵略と植民地支配、NO.6#123

最近読み終えた本。引き続き、あさのあつこさんの作品を読みちゅう。 『勤勉は美徳か?ー幸福に働き、生きるヒント』 (大内伸哉、光文社新書、2016年3月) いくつか「なるほど」と参考になったが、全体的にはモヤモヤと。著者の立場性があいまいだからだろう…

ハピネス、第9巻、ぼくの住まい論

最近読んだ本。『ハピネス』(桐野夏生、光文社文庫、2016年2月)桐野作品にしては、それほど後味悪くなかったね(^_^;)しかし、専業主婦のママ友世界をよくこれだけリアルに表現できますね。作家ってほんとすごいわ。『宮本顕治著作集 第9巻 1985年~94年』(宮…

『街場の文体論』を読んでのメモ

『街場の文体論』(内田樹、文春文庫、2016年3月)を読み終える。 神戸女学院大学での内田樹先生の最終講義14講の文庫化。なんかねー、わずか800円ぐらいで内田先生の最後の熱量ハンパない講義を学べるって、すんごく得した気分。本ってありがたい。で、内容で…

バッテリーⅤ、Ⅵ、18歳から、十津川警部、被爆医師

最近読み終えた本。『バッテリーⅤ』(あさのあつこ、角川文庫、2006年) この巻もゆっくりじっくり進んだという印象。いよいよ最終巻で最高の相手と試合。どーなりますか。『バッテリーⅥ』(あさのあつこ、角川文庫、2006年) 1巻目を読み始め、10日目で全6巻、…

バッテリー、ブームをつくる、バッテリーⅡ

最近読み終えた本。こういう小説とか軽めの新書だったら、1日1冊ペースで読めるんだけどな~。さくさくと。『バッテリー』(あさのあつこ、角川文庫、2003年) 地元の岡山が舞台ということで、方言も違和感なく読めちゃいました。しかしこの物語、全部で6巻…

マイナンバーは、第8巻、学力への挑戦

最近読み終えた本。『マイナンバーはこんなに恐い!ー国民総背番号制が招く“超”監視社会』 (黒田充、日本機関紙出版センター、2016年2月) イギリスでは共通番号制度が導入されるも、政権が変わり廃止になったそう。日本もそうしよう。国民を特定し追跡、プロ…

マルクスなら、ねこ、地位協定、地位協定

最近読んだ本。2月はペース落ちてます。あわわ。『マルクスならいまの世界をどう論じるか ―アメリカ、中国、IS,ロシア、EU』 (聽涛弘、かもがわ出版、2016年1月) こうした広く深い認識にふれることって、すごく刺激になりますね。経済的土台を基礎に…

第7巻、失業の近代史、とにかくうちに、マルクスなら

最近読み終えた本。『宮本顕治著作集 第7巻 1975年~80年』(宮本顕治、新日本出版社、2013年) なかなか複雑な時期の論考集。ぼく、みやけんさん尊敬してるしスゴイ人だけれど、彼の強さは多くの人を傷つけたかも、とも感じる。もちろん、その強靭さは、この…

柏木ハルコ 『健康で文化的な最低限度の生活(3)』

出たのは知ってたので、岡山平和書房さんにまた注文しなきゃなーと思っていたら、勝手にきのう届きました(笑)。よくわかっていらっしゃる。かゆいところに手が届く民主書店がある幸せです。 小学館より発売されたばかり。いや、2巻は正直かなり重くて、読…

6巻、財界支配、男は苦しい

1月読んだ本は14冊でした。まずまずのスタートか。以下、月末に読んだ3冊。『宮本顕治著作集 第6巻 1962年~74年』(宮本顕治、新日本出版社、2013年) なかなか興味深い論文がいくつも。野党間の共闘はやはり下からの運動が抜けてる印象。でも面白いね、…

哲学にはヒマが必要なのだ。

『古代ギリシャのリアル』(藤村シシン、実業之日本社、2015年)を読み終える。著者は古代ギリシャ・ギリシャ神話の若き研究者(1984年生まれ)。アニメ「聖闘士星矢」の影響で神話にはまったという経歴も「普通感」があってよい。平易に、身近に、神話の神々…

『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』(読書)

『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』 (香山リカ、朝日新書、2014年)を読み終える。SNSの否定的な側面、わかるわかる、そうそうと、うなずきながら読んだ。SNSって、自分なりの使い方・規律をはっきりさせておくことが大事ですよね。SNSに翻弄され…

どぶ川学級、オランダ流、だけじゃない憲法

『どぶ川学級』(須長茂夫、労働旬報社、1969年)を読み終える。 まーちょっと変わった立場からの教育実践でした。教育については素人である著者(労働者)が労働組合に支えられながら、労働者のこどもたちに「勉強」を教えていくなかで成長していく。主権者と…