長久啓太の「勉客商売」

岡山県労働者学習協会の活動と長久の私的記録。 (twitterとfacebookもやってます)

読書記録

柏木ハルコ 『健康で文化的な最低限度の生活(3)』

出たのは知ってたので、岡山平和書房さんにまた注文しなきゃなーと思っていたら、勝手にきのう届きました(笑)。よくわかっていらっしゃる。かゆいところに手が届く民主書店がある幸せです。 小学館より発売されたばかり。いや、2巻は正直かなり重くて、読…

6巻、財界支配、男は苦しい

1月読んだ本は14冊でした。まずまずのスタートか。以下、月末に読んだ3冊。『宮本顕治著作集 第6巻 1962年~74年』(宮本顕治、新日本出版社、2013年) なかなか興味深い論文がいくつも。野党間の共闘はやはり下からの運動が抜けてる印象。でも面白いね、…

哲学にはヒマが必要なのだ。

『古代ギリシャのリアル』(藤村シシン、実業之日本社、2015年)を読み終える。著者は古代ギリシャ・ギリシャ神話の若き研究者(1984年生まれ)。アニメ「聖闘士星矢」の影響で神話にはまったという経歴も「普通感」があってよい。平易に、身近に、神話の神々…

『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』(読書)

『ソーシャルメディアの何が気持ち悪いのか』 (香山リカ、朝日新書、2014年)を読み終える。SNSの否定的な側面、わかるわかる、そうそうと、うなずきながら読んだ。SNSって、自分なりの使い方・規律をはっきりさせておくことが大事ですよね。SNSに翻弄され…

どぶ川学級、オランダ流、だけじゃない憲法

『どぶ川学級』(須長茂夫、労働旬報社、1969年)を読み終える。 まーちょっと変わった立場からの教育実践でした。教育については素人である著者(労働者)が労働組合に支えられながら、労働者のこどもたちに「勉強」を教えていくなかで成長していく。主権者と…

『私たちの声を議会へ』(三浦まり)

『私たちの声を議会へー代表制民主主義の再生』 (三浦まり、岩波現代全書、2015年11月)を読み終える。第1章「代表とは何かー代表制と代表性」第2章「政党は何をめぐって競争するのか―政党対立軸の変遷と責任政党政府」第3章「参加を考える―議会の外の代表…

『学校はぼくの生きがい』 『シャッター通りに陽が昇る』

『学校はぼくの生きがい』 (桐山京子、労働旬報社、1977年)を読み終える。40年前、東京荒川区の中学校での教育実践記録。こどもたちへの揺るぎない信頼と要求。もちろんすべてが今にそのまま適用はできないが、普遍性をもつ実践。労働者教育の立場からも学ぶ…

戦後日本の教育と教育学(読書)

『講座 教育実践と教育学の再生ー別巻・戦後日本の教育と教育学』 (教育科学研究会編、かもがわ出版、2014年)を読み終える。別巻が出ていたのは知らず、本屋で見つけて購入。このシリーズ(5巻もの)は全部読んでいたので。本書では、タイトルのとおり、戦…

『おとなの始末』『宮本顕治著作集(5)』

『おとなの始末』(落合恵子、集英社新書、2015年11月)を読み終える。おとなって、なんでしょうね。「大人になる」と使われるように「なる」んだよね、おとなに。でも、宮本百合子が指摘するように、「現実を知るということ、または大人になったということを…

2015年12月に読んだ本

昨年12月に読んだ本。今年は、このツイッターのつぶやきをそのまま貼り付ける紹介の方式もやめて、読んだ本を1冊あるいは数冊ずつきちんと紹介する方式に戻します。今年も貪欲に活字の大海に挑みます。今回で最後ですが、昨年方式のまま、以下。 ■『実践労働…

11月に読んだ本

県外移動が多かった11月。ほとんどは移動中に読んだもの。 ■『社会を変える23章 そして自分も変わる』 (川田忠明、新日本出版社、2015年10月)ひと言でいえばかっちょいい。語り方、姿勢。文化的なお話もふんだんに。川田さんらしい。若い方々との「対話講…

知的停滞

10月に読んだ本はなんとたったの3冊。しかも2冊小説だし。時間がなかったわけではないのですが、なんだかぼーと過ごした10月でした。いや、お仕事は忙しかったのですが。なんか活字に向かえなかった。あと雑誌とか『資本論』をちょっと読みましたけど…

「文鳥カフェ」っていうのが面白かったけど

『まんがでわかる ピケティの「21世紀の資本」』(〔まんが〕小山鹿梨子・〔監修〕山形浩生、宝島社、2015年6月)を読み終える。 ■実際に『21世紀の資本』の訳者による監修だけに、エッセンス本だけど理論内容には忠実。格差社会なんだ、ということも、よくわ…

9月に読んだ本

■『経済政策で人は死ぬか?ー公衆衛生学から見た不況対策』 (デヴィッド・スタックラー&サンジェイ・バス著、 橘明美・臼井美子訳、草思社、2014年)これは説得力のある、素晴らしい研究。緊縮財政は人を殺す。国民の命は経済政策に左右される。アイスランド…

10年間のソワニエ授業で紹介した本 162冊

はい、節目の10年目が終わったソワニエでの授業。毎回、講義の冒頭に「読書日記」ということで、本を読んできて、学生さんに紹介しています。最近は「読む本さがし」に苦労しますが、10年間で162冊になりました。その多くが、ソワニエでの仕事がなかったら、…

8月に読んだ本

■『社会と健康ー健康格差解消に向けた総合科学的アプローチ』 (川上憲人/橋本英樹/近藤尚己編、東京大学出版会、2015年4月)帯には「健康格差のメカニズムを探る教科書の決定版」と。そのアピールにふさわしい内容。健康は自己責任ではない。 この内容を平易…

松木一等兵、人間として看護婦として

最近読み終えた本。 『阪神タイガース松木一等兵の沖縄捕虜記』 (松木謙治郎、現代書館、2012年) 戦前から阪神タイガースの選手・監督として 活躍した著者の沖縄戦体験記録。 ちょっと他の沖縄戦記録にはない視点と体験が語られていて たいへん興味深かっ…

今年も5月号はマルクス経済学のすすめ!

月刊誌『経済』5月号を眺め終えました。 毎年5月号恒例の大特集「マルクス経済学のすすめ」です。 どの論文も力作。 とくに関野秀明さんの27ページにおよぶ論考がすばらしい。 精読しました。 資本論で展開される商品論、剰余価値論、資本蓄積論を みご…

加藤周一、ルーズヴェルト、心の底を

最近読み終えた本。 『加藤周一 最終講義』(加藤周一、かもがわ出版、2013年) 「どうしてばかげた戦争をしたのか、あるいは、15年戦争を はじめてから無条件降服まで続けるということは、いったい どういう文化がそれを可能にするのか」 という問題意識は…

いのちの格差を、神統記

最近読み終えた本。 『いのちの格差を是正するー人権としての医療・介護保障めざす提言』 (全日本民主医療機関連合会、新日本出版社、2014年3月) 経済的な格差、貧困が、いのちの格差に。 全国の民医連事業所による実態・事例調査をもとにした提言。 事例…

3・11と教育改革

『3・11と教育改革』(教育科学研究会編、かもがわ出版、2013年)を読み終える。 シリーズ教育実践と教育学の再生・5巻目。 東日本大震災と原発事故という未曾有の事態に、 学校と教育のあり方・課題を問いかける。 被災地での、困難な状況のなかで希望をつ…

教育、結婚探し、性愛、セクシュアル、原爆の、書き出し

最近読み終えた本。 『地域・労働・貧困と教育』(教育科学研究会編、かもがわ出版、2013年) 全5冊のシリーズ「講座 教育実践と教育学の再生」4巻目。 いま子どもが育つ場である地域はどうなっているのか。 地域と教育の結びつきと課題。 地域における若…

いのちと責任、教育実践と教師

最近読み終えた本。 『いのちと責任 対談 高史明・高橋哲哉』(李孝徳編、大月書店、2012年) 学者さんどうしの対談、という感じ。 なんか物足りなかった、というか、 全体として論じている位置が高いという感覚・・・。 「取り返しのつかない罪への自覚」「…

子どもの生活世界と子ども理解

「講座 教育実践と教育学の再生」読み始めました。 5冊シリーズ(たぶん)で、第3巻はまだ未刊ですが、 残りの4冊は購入しています。今月一気に読んじゃおうと思います。 で、とりあえず、1冊目 『子どもの生活世界と子ども理解』 (教育科学研究会編、…

デモ、日銀、非核芸術

最近読み終えた本。 『デモいこ!ー声をあげれば世界が変わる・街を歩けば社会が見える』 (TwitNoNukes編著、河出書房新社、2011年) 道路で叫んでいい。デモは表現。デモは自由。 どんどんデモやろう。数人からでもできる。 デモのやり方の丁寧な解説ふく…

今を生きる若者の、政府の憲法解釈

最近読み終えた本。 『今を生きる若者の人間的成長』(都筑学、中央大学出版部、2011年)。 心理学の先生による「生き方」「成長とは」「人生とは」などのエッセンス。 おもしろいところもあったけど、もうひとつ深まりがほしかった。 やっぱりぼくは史的唯…

子どもの、秘密、お笑い、命の

最近読み終えた本。 『子どもの貧困Ⅱ-解決策を考える』(阿部彩、岩波新書、2014年1月) 半分以上は「政策集」ともいうべき異色の内容。 ちょっと違和感あるところもあるけど、 欧米の貧困解決のための政策をふまえた提言。 子どもの貧困はまっさきに無くさ…

流通大変動、高校教育、親指はなぜ

最近読み終えた本。 『流通大変動ー現場から見えてくる日本経済』 (伊藤元重、NHK出版新書、2014年1月) 著者とは経済学の立場がまったく違うけど、 資本主義社会における「流通」の役割が大きいのはそのとおり。 流通の「いま」がよくわかるのがよい。 そ…

今こそ、ピーター、雨の降る日は

最近読み終えた本。2月に入り、ペース落ちる。挽回せねば。 『今こそアーレントを読み直す』(仲正昌樹、講談社現代新書、2009年) 相方が映画『ハンナ・アーレント』を観て 「よかったよ」と言っていたのでちょいかじり。 著者のマルクス主義の論じ方にひ…

下町、15歳からの、テツガク

最近読み終えた本。 『下町ロケット』(池井戸潤、小学館文庫、2013年) おもしろい。 久しぶりの池井戸作品一気読み。 町工場のこだわりの仕事、好きです。 『15歳からの労働組合入門』(東海林智、毎日新聞社、2013年) 新聞記者の著者らしく、徹底して「…

手のなかの、力点、身体感覚

最近読み終えた本。『手のなかの脳』(鈴木良次、東京大学出版会、1994年) 手をつかうことは、人を育てる。 かなり専門的な話もあったけど、つらぬくテーマはそこ。 人間の手のすごさは、底知れない。 『党綱領の力点』(不破哲三、日本共産党中央委員会出…

日本人は、ベアテ、手仕事、手仕事

最近読み終えた本。 『日本人は民主主義を捨てたがっているのか?』 (想田和弘、岩波ブックレット、2013年) 「消費者民主主義」という指摘に、なるほどと。 労働組合活動でも執行部がサービス機関で、 一般組合員が消費者的である傾向もあるのかなあ。 著…

桐島、疲れすぎて、アニマシオン

最近読み終えた本。 『桐島、部活やめるってよ』(朝井リョウ、集英社文庫、2012年) 作者若干19歳のときのデビュー作。 驚きの筆力と構成力ですね。 高校生活のなかの微妙な力関係やバランスの上にたつ 17歳たちの葛藤や思いの描写にうなる。 『何者』に…

「腐る経済」、手と道具の人類史

最近読み終えた本。 『田舎のパン屋が見つけた「腐る経済」』(渡邉格、講談社、2013年) すんごく面白かった。 パンづくり(主に菌の話ね)とマルクス資本論。 まったく交わりそうにない要素が、交差しながら展開。 その詳細は・・・ ・・・と書きたいとこ…

犯罪と刑罰、何者

最近読み終えた本。 正月は怠けましたが、1月は15冊目標。 がんばります。 『犯罪と刑罰』 (ベッカリーア著、風早八十二・五十嵐二葉訳、岩波文庫、1959年) 刑法の原理を説いた18世紀啓蒙主義者の古典。 初版はフランス革命より25年も前だそう。 この…

新エネルギー、沖縄戦1、沖縄戦2、基礎理論

最近読み終えた本。 『新エネルギー時代 沖縄の今これから』 (琉球新報社、新報新書、2013年5月) 全国で唯一原発がなかった沖縄。 しかし、新エネルギー活用はかなり遅れている。 沖縄の電力事情の今とこれからにスポット。 2011年9月~2012年4月までの 琉…

デザイン、ごっくん、家事の、正義について

最近読み終えた本。 『資本論』学習が長く続いたので、 反動で比較的やわらかい本ばかり 読んでいます。 『デザインの教科書』(柏木博、講談社現代新書、2011年) わからないところもあったけど、 全体的にたいへん刺激を受けました。 デザインとは何か、心…

七つめの絵の具、過労死は何を

最近読み終えた本。『七つめの絵の具』(いせひでこ、平凡社、2010年) 絵本作家・いせひでこさんのエッセイ本。 飼い犬グレイの話にウルッとなり、数々の表現の妙にうなる。 ページをめくるのが、しあわせな時間でした。 『過労死は何を告発しているかー現…

家事ハラ、古典教室3巻、プラトン『饗宴』

最近読み終えた本。 『家事労働ハラスメントー生きづらさの根にあるもの』 (竹信三恵子、岩波新書、2013年10月) 良書。 「働く裏側には、必ず、家事や育児、介護の労働がついてくる」。 しかし日本社会の根深いジェンダーバイアスにより、 家事労働は女性…

子どもにかかわる仕事、超訳マルクス

最近読み終えた本。 労働学校が始まったので、『資本論』に くびったけ。読書ペース急減してます。 『子どもにかかわる仕事』(汐見稔幸、岩波ジュニア新書、2011年) 診察室で、学校で、地域で、子どもたちの命や育ちに 寄り添ってきた13人の仕事観、教育観…

女子読み、沖縄戦の、基地はなぜ

最近読み終えた本。 『女子読みのススメ』(貴戸理恵、岩波ジュニア新書、2013年9月) 若い女性作家による、女性・女の子を 主人公にした小説を多数紹介しながら、 現代の「生きづらさ」を考える。 学校、家族、社会、大人になる…。 手法はおもしろいが深さ…

古典教室第2巻、人間という

最近読み終えた本。『古典教室 第2巻』(不破哲三、新日本出版社、2013年10月) 『空想から科学へ』をテキストにしての講義録。 エンゲルスの資主義の基本矛盾解説の問題点を よりつっこんで解明。ふむ。 おもしろかったのは、フランス革命の詳細な解説。 社…

つむじ風食堂、集団的自衛権

最近読み終えた本。 『つむじ風食堂と僕』(吉田篤弘、ちくまプリマー新書、2013年8月) 久々に、テキトー買いの新書での大ヒット。 内容、文体、本全体の雰囲気、どれも素晴らしい。 主人公は12歳の男の子(まるで、コペルくんのような感じ)。 通っている…

死の風景、ぼくがいま

最近読み終えた本。『ヨーロッパ歴史紀行 死の風景』(立川昭二、講談社学術文庫、1995年 ) ヨーロッパのいくつかの国を訪ねながら、 病気や死と人びとはどう向きあい、考え、 文化をつくってきたのか。 30年前の旅行記であるが、普遍的なテーマなので古く…

女性白書2013、古典教室1巻

最近読み終えた本。 『古典教室 第1巻』(不破哲三、新日本出版社、2013年9月) マルクスの 『賃金、価格および利潤』 『経済学批判・序言』 をもとに、 科学的社会主義の経済学と史的唯物論の エッセンスを解説したもの。 古典解説ももちろん学ぶこと大だ…

わたしだって看取れる

『わたしだって看取れる』(徳永進、KKベストセラーズ、2013年8月) を読み終える。 鳥取の「野の花診療所」の徳永進医師の最新刊。 この人の本からは、いつも多くのことを教えられる。 死と向きあうことが日常の臨床の現場は、 一筋縄ではないかないこと…

安倍「雇用改革」、僕は人生の宿題を

最近読み終えた本。『安倍「雇用改革」を切る!ー憲法をいかし、働くルールの確立を』 (労働法制中央連絡会・自由法曹団・全労連編、学習の友社、2013年8月) タイトルを読めば、まあ中身はわかるのかな、と。 約60ページ、600円のブックレット。 これ以上…

コーダの世界

『コーダの世界ー手話の文化と声の文化』 (澁谷智子、医学書院、2009年)を読み終える。 コーダとは、 「聞こえない親をもつ、聞こえる子どもたち」のこと。 1980年代のアメリカで、 「Children Of Deaf Adults」の頭をとって 「CODA」という造語がつく…

柳宗悦、女たちの韓流

韓国・スタディツアー中に読み終えた本。 『柳宗悦ー「複合の美」の思想』 (中見真理、岩波新書、2013年7月) 第3章は「朝鮮への想い」。 柳宗悦(やなぎむねよし)が20回以上も 朝鮮半島を訪れたこと、 朝鮮の文化や美を高く評価していたこと、 1919年3月…

地方にこもる、政治課題と「資本論」

最近読み終えた本。 『地方にこもる若者たちー都会と田舎の間に出現した新しい社会』 (阿部真大、朝日新書、2013年6月) 東京駅で買って読みはじめて、 名古屋に着く前に終わってしまった。 つまりあまり内容が濃くなかったという…。 岡山県民には、前半部…